クレカCMに見る時代背景:広告に込められた社会メッセージ

2025/05/23

クレジットカードのテレビCMやWeb広告を見て、「最近のCM、なんだか変わったな」と感じたことはありませんか?
実は、クレジットカードのCMにはその時代の社会背景や価値観が色濃く反映されているのです。今回は、過去から現在に至るまでのクレカCMの変遷と、その裏に込められた社会的メッセージを読み解いていきます。

◎90年代〜2000年代:憧れの象徴から「成功の証」へ

バブル期以降のクレジットカードCMでは、「ゴールドカード=ステータス」「持っているだけで一目置かれる」といった所有欲や社会的地位を刺激する演出が主流でした。
高級スーツ、海外旅行、五つ星ホテル――映像には常に"ラグジュアリー"があふれており、カードはまさに成功者の象徴だったのです。

◎2010年代:実用性・信頼性・セキュリティ重視の流れへ

2008年のリーマンショック以降、社会全体に「堅実」「安心」というムードが広がります。それに呼応するように、CMのトーンも変化。
「ポイントが貯まる」「年会費無料」「不正利用補償」など、**堅実な生活をサポートする"お得さ"と"安全性"**を前面に出す内容が増えました。
クレジットカードは"選ばれし者"のためのツールから、"誰もが使える便利な生活のパートナー"へと変わったのです。

◎2020年代〜現在:多様性・共感・社会性がキーワード

最近のクレカCMでは、多様性や共感、持続可能性といった社会的テーマが打ち出されるようになっています。
LGBTQ+のカップルが登場するシーンや、主婦・学生・地方在住者など、より"自分ごと"として感じられる構成が主流です。
また、環境配慮型の素材を使ったカードや、CO2排出削減に寄与する利用スタイルの提案など、SDGsを意識した広告も増えています。

◎CMが伝える"カード以上の価値"

クレカCMは、単にサービスを紹介するものではありません。
それは「どういう人に使ってほしいか」「このカードが目指す未来は何か」を描く、ブランドの哲学や時代へのメッセージでもあるのです。
つまり、CMからは企業の思想や、世の中が今何を求めているかが見えてくるというわけです。

◆まとめ:CMは時代を映す鏡。クレジットカード広告から社会を読み解こう

クレジットカードのCMは、時代によってその表現も目的も変化してきました。
華やかな成功から実用性へ、そして共感・多様性へ。
今後は、AI時代・メタバース・仮想通貨との融合といったテーマが描かれるかもしれません。
次にクレカのCMを見るときは、その裏にあるメッセージにも注目してみてください。